冬の檜洞丸 【スペランカー登山隊】 [登山]
2017年を迎え、今年一発目のスペランカー登山です。
地元神奈川県丹沢にある 檜洞丸(ひのきぼらまる) からでござーい...!-|-!
ワンタッタ... ワンタッタ...
・・・・・
はい。
さて、地元民でありながら昨年は一度も丹沢の山に登らなかったので、2年ぶりの来登です。
檜洞丸は標高1601m。
丹沢山地では蛭ヶ岳に次ぐ第二の高峰。
丹沢の奥地にある山なので、登山口までのアクセスに時間がかかるイメージがあります。
日帰り登山を考えると工程的にも厳しく、日没も早い今の時期は中々足を運ぶに至りません。
しかも雪が積もる冬山。
しかしながら丹沢の雪山としては檜洞丸は穴場と聞いていたので、冬に一度は来てみたかった。
それが今回やっとこさ実現しました。
アクセスに遠い隊員もいるので、我々がバスに乗れるのは早くて8時25分発が限度。
そのバスで西丹沢に向かいます。
(乗車時間1時間10分)
出発前、東南アジア人ぽい人が、バスの運ちゃんに 「イエティ!イエティ!」 と、いかにも焦ってる感じで
話かけてるもんだから、日本でもついにイエティが発見された可能性がある。
(ねーよ)
イエティというスキー場行きのバスが、新松田駅から出ているだけの事である。
バス車内には、山ノボラーが10人ほどいらしたでしょうか。
西丹沢行きのバスはかなり混むという情報があったので、とんだ拍子抜けでしたが、
結局終点の西丹沢自然教室で降りたのはたったの3人でした。
ほぼ全員が終点まで行くと思っていただけに想定外。
え? みんな降りちゃうの? 不安になるじゃないのw
(途中の高松山登山口バス停で降りる人がほとんどでした)
檜洞丸は人気のある山だけに、春先から秋にかけては登山者も多いのでしょうが、
冬の時季は晴れていても登山者は大幅に少ないようです。
(穴場と言われる所以か)
しかしながら、自然教室前の駐車場は満車です。
公共交通機関だと時間がかかるから、車で来る人が多いのかも。
さて、今回雪の檜洞丸に挑んだメンバーは、隊員S氏とわたくし隊長の2名にて。
残念ながら隊員N氏は、冬休みの補習に追われて来れないという。
(まだその学校ネタ引っ張るのか)
挑んだルートはこちら。
西丹沢自然教室からつつじ新道を登り山頂を目指すコース。
標高差1060mを登る雪道の急登になります。
出発が10時前になってしまうので工程も厳しく(コースタイム6時間強)、日没や帰りのバスの時間(17時5分発)を
考慮すると、やはり下山はピストンするしかありません。
最終に18時58分発があるが、17時を逃すと外で2時間待たなければならず、凍死してしまうw
ということで、西丹沢自然教室にて登山届けを提出し、9時50分に出発しました。
川沿いの舗装路を北上し、10分程ワンタッタと歩くとつつじ新道の入口へ。
ここから登山道へと入っていきます。
次のポイント地点となるゴーラ沢出合までは、半分登りで半分平坦な道を歩く感じ。
まだこの地点では雪はありません。
春の芽吹きってやつでしょうか。
植物には疎いのでわかりませんが、多分、つつじ新道なだけに、つつじだと思う。
(テキトーなこと言わないで下さい)
もしヘタに、つまづいたりでもしたら崖下へ真っ逆さまの橋渡しが2ヵ所ありますのでそこは慎重に。
歩いてたら遠くのほうで ”パーン” と、鉄砲らしき音が聞こえました。
マタギが鹿でも狩っているのかも。
いやいや、やっぱりそこはイエティでしょ・・・ と、二人でしょーもない話をしてたら
何やら周囲から視線を感じるではありませんか。
ムムッ!!
登山道のちょっと下に スガシカオ がっ!!
なんとも可愛らしいお顔のスガシカオ。
しかし騙されてはいけません! スガシカオの体には山ビルが引っ付いているはず!
鹿の体に引っ付いて移動し、人間の血液を狙う山ビルに寄生されてなるものか!
サタンクロスになるのは御免だ!
レッツら逃げよう。 (←山ビルを警戒し過ぎな人たち)
川の音が近くなってきたらゴーラ沢も近いです。
橋が崩落している箇所もある。
コースタイム通り、スタートから1時間でゴーラ沢出合に到着です。
お疲れさまでした。 と、言われてもそんなにまだ疲れておりません。
ここゴーラ沢では、石を踏み台に川を渡らなければならない渡渉ポイントになります。
檜洞丸の名物ポイントとも言える場所。
川が増水していようものならここで引き返すポイントにもなるわけですが、この日は無問題。
川の流れも穏やかでした。
川のどこで渡渉するかは自己判断になりますが、判断が良ければ渡渉は1回で済みます。
でも判断が悪いと、我々のように3回も渡るハメになる(笑)
案内図では2回渡渉するような描き方になっている。
ここで、まさかの最初のアクシデントが発生!
飛び石に乗って川を渡るのですが、この石は滑らないだろうという過信が、転倒を引き起こしてしまいました。
石によっては凍りついている石もあるのですが、川の水で濡れている程度なら滑らないだろうという甘い考えで
足を乗せた途端、滑って転倒ですよ。
しかも、そこから身体の重みでズルズルと川に落ちかけたところを・・・・・
右手ひとつで川へのダイブを防ぐという若林源三なみのミラクルセーブ!
まだまだわたくしも、シュートされて 「体のどこかに当たってくれ!」 と、神頼み的なことを叫び
実際、体にボールが当たって、そのボールがゴールバーに当たりゴールを許さなかった森崎くんの
神セーブ的な運も持ち合わせていたようです。
(例えが長い)
皆様も渡渉の際は、どうか過信せず、慎重にお渡りください。 滑らないことを祈っております。
そして受験生の皆様もどうか・・・ (余計なこと言うんじゃない)
ちなみに帰りは判断がよかったのか、渡渉は一回で済みました。
かなり楽に渡れる渡渉ポイントを見つけましたぜい。(←また来た時には絶対忘れてる)
さて、ゴーラ沢出合からは本格的な登りに入って行きます。
最初から鎖があったりもしますよ。
このような注意喚起の案内板も。
よい質問ですね。
ただ、地図を持っている人は答えちゃいけないのかも。
(そういうことじゃない)
自信の無い方はここで引き返しましょう。 そうですね。 ここで引き返す勇気も必要ですよね。
100%勇気です。
歌詞は100%勇気でも、曲のタイトルは勇気100%です。
よく間違えて憶えてらっしゃる人もいます。
(なんの話をしている)
えっちらおっちら
階段、そして鎖場をいきなりゼイゼイハアハアしながら登っていき、ひと呼吸です。
ふと、川岸を振り返ると・・・・・
なに? あの赤いの。
ゲェー!!!
どゆこと?
車が地面に突き刺さっているではありませんか!
まるでハリケーンミキサーを喰らった後のリングに埋まったウォーズマンのよう。
(例えが苦しい)
こんな所に車なんか入って来れないですし、空から降ってきたとしか思えません。
・・・と、向かいの山の上のほうを見上げてみると、なんともガードレールが見えるではありませんか。
おそらく林道があるのだと思いますが、そこから落ちたんでしょうかね?
・・・・・
まあいいや、先を急ぎます。
次のポイントである展望園地までは、ゴーラ沢から1時間のコースタイムとの事。
ちょうどその半分ぐらいでしたかね。
雪も出てきて登山道もガチガチに凍りついてきたので、登山靴だけでは限界でした。
軽アイゼンを装着し、萬田久子ふうに 「滑らんな~」 と発声しながら登っていきました。
展望園地にはコースタイム通りに到達。 相変わらずのスタンダード能力です。
名前の通り、富士山の展望が望める休憩場所ですね。
しかし、ここからなんですよ。 体力的に一番しんどいのが。
展望園地から次のポイント石棚山稜との分岐までずっと急登。
ほぼ平らな道は無いに等しい。 そんな気がした。 (←つらい部分しか覚えていないw)
ちなみに山と高原地図をお持ちの方はご注意ください。
地図上に記載されているコースタイムですが、、、
40分と1時間20分、これ逆ですので。
展望園地からの登りが1時間20分です。
よって、1時間20分もの間、急登を登り続けなければならない。
心折れますよね。 これから登る予定の皆様、頑張って下さいね。 (←もう人ごとのよう)
えっちらおっちら
アイゼン装着のまま登り続けるって、ホント足が疲れますよ。
萬田久子ふうに 「疲れるな~」 と、発声しながら登っていきました。
(萬田萬田うるさい)
道中、梯子もチラホラ登場しますよ。
ジグザグの登山道に、こう梯子がかけられていると、なんかリアルドンキーコングに思えてきますね。
(そうでもない)
長い急登が終わる石棚山稜の分岐ポイントに到達しました。
疲れ過ぎて、さすがにベンチでヘタレこむw
この区間は一気に標高を上げる登りだったので、きつかった~。
気温が氷点下もなんのその、大量の汗が噴き出る始末。
その甲斐あってか、展望園地からのコースタイムより20分短縮の1時間で登ってこれましたよ。
果たして我々が速かったのか、地図のタイムが間違っているのか。
(後者でしょ)
急登も終わり、分岐ポイントからは歩きやすい登山道になっていきます。
冒頭の獅子丸じゃありませんが、檜洞丸山頂も見えてきました。
雲のない青空で、しかも無風。
稀にみる最高の登山日和だったかと。 (←恐るべし隊員S氏の晴天率)
こういう日は、登っていてホント楽しい。
済みきった青空に富士山もよく映えています。
二手に分かれた木道を歩く。
木道脇の積もってる雪は、ストックで測定したら30~40cmは積もってました。
そして毎度のお約束・・・
(だからお互いで撮りあってどうするのよ)
この日はホント人がいませんで。
山頂まで追い越した人もいなければ、追い抜かれることもありませんでした。
途中下山して来るすれ違った山ノボラーさんはたったの3人。
その内のひとりに単独の山ガールさんがいましてね。
アイゼン履きながらも早いペースでガツガツ下りて来るんで、とても印象に残っていたのですが、
後日その日のヤマレコを見てたら、その女性のレポがアップされていたんです。
(本人も画像に写ってるんでわかったのですが)
それ見て ブヘー(>_<) ・・・っと、驚愕ですよ。
その女性は丹沢の玄関口である大倉を早朝から登りだし、塔ノ岳→丹沢山→蛭ヶ岳→檜洞丸と
丹沢縦走の王道をその日だけで制覇してらっしゃる!
(ふつうは一泊二日じゃないと無理)
しかも雪山でですよ。 こりゃ凄いとしか言いようがない。
グレートトラバース田中陽希ばりのスピードかと。
もうね、その女性のこと田中陽子さんと呼ぶしかありませんよ。
(勝手に命名するな)
さて、ヘタレの我々は山頂までもったいぶりながら、ゆっくりとワンタッタしていきました。
そしてスタートしてから3時間と25分・・・
檜洞丸山頂に登頂しました~(^_^)
山頂には若い男性の2人組がいるだけでした。
ここの山頂はわりと広いんですよね。
動物の踏み跡もあったよ。
最初、ウサギの足跡かと思ったけど、ウサギマスターの嫁ちゃんに、帰ってから写真を見せたら
どうやらウサギの足跡ではないらしい。
鈴木雅之の曲のごとく、違う違う。そうじゃ・・・そうじゃない・・・ と言われました。
となると、イエティの足跡かもしれない。
(あーそうかい)
ということで、檜洞丸にて今年一発目のフェイスフラッシュ!!
登りでタイムを短縮できた為、山頂でのモグモグタイムは一時間ほど取ることができました。
先にいた男性コンビもすでに山を下りていき、山頂は我々二人だけに。
休んでた彼らの死角で見えなかったけど、富士山も雪越しに見えてたなり。
富士山とは逆方向の景色には、丹沢最高峰の蛭ヶ岳方面が。
地元民でありながら、まだ丹沢最高峰の地を踏んでいないんですよねわたくし・・・。
いつでも行けるからとずっとほったらかしにしていましたが、そろそろ計画立てようかなと(^^)
しばらく雪化粧の富士山を眺める。
誰もいない山頂。 風も無い。 久方ぶりに山の中での ”無音” を感じました。
とても工藤静香です。
檜洞丸、いい山です。
またいつか来ることになるのかな。
(また山バッジ買えなかったし)
山頂貸し切り状態が名残惜しいですが、14時過ぎ、自然教室に向け下山開始しました。
地図を見ていてなにげに思ったのですが、この辺は 「丸」 が付く名前の山が多いですね。
檜洞丸を筆頭に、畦ヶ丸、大杉丸、裸山丸、大タル丸、棒ノ木丸etc.
(獅子丸は無かったw)
下山は順調に歩みを進めていたのですが、ここでまたアクシデント発生ですよ...(>_<;)
一瞬の気のゆるみでした。
傾斜のある木の階段を降りている時でした。
ステップとなる木の木目に溝があったのかわかりませんが、装着していたアイゼンの爪が引っ掛かってしまい
次の一歩が出ず、そのまま前方から転落していまうという失態。
傾斜がある階段だったので、後向きで降りるとか、横向きで降りるとかすれば、転ばずに済んだのかもしれません。
そのまま降りても大丈夫だろうというここでも過信が。
周りが雪だったのと、リュックを背負っていたおかげでクッションになり、大きな怪我にはならずに済んだのが
幸いでした。 最後は顔面も雪の中でしたからね
目撃していた隊員S氏に 「何回転ぐらいしてた?」 と聞いたら・・・
「トリプルアクセルでした」 との事。
ウマいのかウマくないのか微妙な線ですが(そんなことはどうでもよい)、それよりも倒れたまま
少々動かなかったわたくしを見て、隊員S氏は焦ったようで
倒れた後、痛みはないか? 動けるか? 怪我してないか? 自分の頭の中で模索していたんですね。
そして動き出したと思ったら 「何回転ぐらいしてた?」 ですからね。 申し訳ない。
大変ご心配をおかけしました(^^;)
この日は滑るわ転ぶわで、スペランカーの隊長としてホント情けないっす
しばらくわたくしの心はブルーでしたw
しかしながら、柔道の受け身を練習しておいてよかったわぁ。
(そんな練習あんた一度もしたことないだろうが)
どうか皆様も、梯子や階段を降りる時は慎重に降りましょうね。
そして受験生の皆さんも・・・ (いいよ言わなくて)
夕暮れのゴーラ沢まで下りてきました。
汚れたアイゼン、ちょうど川で洗えるからいいねw
おわり
【檜洞丸工程】
西丹沢自然教室9:50 ⇒ ゴーラ沢出合10:50 ⇒ 展望園地11:45 ⇒ 石棚山稜分岐12:40
⇒ 檜洞丸山頂13:15~14:10 ⇒ 展望園地15:15 ⇒ ゴーラ沢出合16:00~16:10
⇒ 西丹沢自然教室16:50 計:7時間00分
標高差:1061m
歩行距離:10.2km
日帰り入浴:なし
反省会:とり鳥(海老名市)