奥秩父主脈縦走<前編>(甲武信ヶ岳) 【スペランカー登山隊】 [登山]
山梨、埼玉の県境にそびえる奥秩父の山々を歩いてきました。
奥秩父主脈を歩く縦走トレイルは山ノボラーには有名ですが、その一部区間を歩くプランを立てました。
初日は山梨側の麓から日本百名山の甲武信ヶ岳(標高2475M)へ。
直下の山小屋に一泊し、二日目は破風山(標高2318M)、雁坂嶺(標高2289M)と、山梨百名山の2座を
縦走します。
ちなみに甲武信ヶ岳には6年前に単独で登っているのですが、破風山と雁坂嶺は初めて。
というわけで、無駄にお付き合いいただきますこの企画・・・
山梨百名山全制覇(その気もないのに無理するな)
プロジェクト! の巻。
今回参加したメンバーは隊員N氏、隊員S氏、わたくし隊長の男3人衆にて。
歩いたコースはこちら ↓ ↓ ↓
道の駅みとみからスタートし、徳ちゃん新道から戸渡尾根を登り、木賊山、甲武信ヶ岳を目指します。
(CT6時間35分)
初日は甲武信小屋に宿泊。
翌日小屋を出発し、西破風山、東破風山、雁坂嶺、雁坂峠までの区間を縦走します。
下山は雁坂峠から下り、道の駅みとみまで戻る周回コースとしました。 (CT5時間45分)
朝9時前、山行の起点となる道の駅みとみに到着。 天気は快晴でございます
麓の道の駅から見える山は、二日目に縦走する雁坂嶺がそびえています。
甲武信ヶ岳は雁坂嶺のさらに奥の奥にあるので、麓から当然見ることはできません。
その勇姿は、6時間以上山の中を歩かないと拝めないというのですから、どんだけ奥深いんだよと・・・(汗)
マイトロッコ(車)を道の駅に駐車させてもらい(無料です)、甲武信(こぶし)へ向けて出発しました。
30分ほど平坦な遊歩道を西沢渓谷方面へとスタスタ歩くと、徳ちゃん新道の入口へ。
今回その徳ちゃん新道を登っていきますが、これまで100座以上の山を登ってきたわたくしの経験の中でも、
この徳ちゃん新道からの戸渡尾根は、指3本に入るほどのキツイ急登。
登山口からの標高差は約1400Mありますが、ほぼ9割が登りで、まさに変態の域です(笑)
まさかまた自分がこの徳ちゃん新道を登ることになろうとは・・・(滝汗)
もう二度と登るまいと思っていたのに。
(ちなみに自分が経験した登りで、最強は富士山御殿場口ですが、そっちは次元が違うド変態w)
夏の北アルプスに向けて体力作りという意図もあるのですが、前々から隊員のN氏とS氏には
是が非でも徳ちゃん新道の辛さを経験させてやろうという魂胆がありました。
隊長として、スパルタ訓練ですw
徳ちゃん新道に入ると、ふつうに急登が始まります。
最初はさすがに緩やかだろう? と、思っていたなら大間違いです(笑)
しばらくずっと樹林帯の中を歩くので景色は皆無。 黙々と登るのみ。
日差しを遮ってくれているのだけは救いでしょうか。
ここ甲武信では、5月の春の時季ならシャクナゲが有名です。
そこはシャクナゲのトンネルになる場所なのですが、6月はさすがにもう咲いていないだろう?と思ってたら、
一部で遅咲きのシャクナゲが居残りしていました。
よく、花やら高山植物の写真を撮っていると、他のハイカーの方々に 「この花の名前なんて言うんですか?」
と、聞かれることがあるのですが、すみません・・・全然知らないっす(笑)
わたくしが花の写真を撮っているのは、嫁ちゃんからノルマを課せられているだけなんですけどねw
でもまあ・・・徐々にではありますが、花の名前を覚えてきているのは事実。
いずれ ”花の子てぷてぷ” と言われるようになるかもしれません。
(勝手に言われてなさい)
えっちらおっちら
ふう~ 永遠と続く樹林帯を抜け、約3時間かけて、やっと展望が開ける場所へ。
いや~ やっぱり登りが長いわこのコース(笑)
この日は富士山もバッチリ見えていました。 ありがたや~
そんな富士山をカメラで撮っていると、下方から隊員S氏がこっちにカメラを向けている。
毎回恒例のお互いの撮り合いだ。
「もうここでやるの?」 と、隊員N氏。 グム、たしかに。
もうここで、それをやることになろうとは。
(いつまでやるんだこのクダリw)
この日は金曜日だったので、登山者は少なめ。 というか、この徳ちゃん新道を敬遠している山ノボラーは
きっと多いことと思います。 もっと楽に登れる登山道はありますからね。
近丸新道との分岐点で老夫婦を追い抜いた後、軽く昼食を取りました。
甲武信岳と表示はあるものの 「まだ半分も来てないよぉ」 とか 「徳ちゃん新道半端ないって!」 とか
泣き言を言いながら休憩していたら、後方から若い兄ちゃんがゼイゼイしながら一人歩いてきました。
我々の前で立ち止まったので少し立ち話をしたのですが、彼曰く ”噂には聞いてたけど想像以上に徳ちゃん
新道半端ないって!” との事。 (半端ないって!は言ってない)
その兄ちゃんもこの日は我々と同じく山小屋に泊まるとの事で、さすがに日帰りはしないようです。
6年前にこの徳ちゃん新道を10時間以上かけて日帰りピストンをしたわたくしをみんなで変態扱いw
まあたしかに、よくそれが出来たもんだなと。
富士山に登った10日後にそれをやったぐらいだから相当体力があったんでしょうね。
自分で言うのも何ですが、隊長半端ないって!!
(今はその体力もなくドンジリをゆく・・・orz)
そんなノソノソの我々スペ隊を今度は後方から若い山ガールが一人颯爽と追い抜いていったのですが・・・
ゲェー!!! 彼女ストックも使わずに登ってる!
このコースをストックを使わずに登って行くなんて、すげぇ体力だぜ!
山ガール半端ないって!
(いい加減しつこい)
えっちらおっちら
とにかく登って登って登りまくる。
これでもかと登りまくる。 先が見えないくらいこんなに長かったっけ?と、思わずにはいられません。
隊員N氏の休憩を要求する頻度が増えてきましたw
マジつれえ・・・ を何回聞いたことかw
主脈縦走路の稜線に辿り着くだけでも5時間以上を要す。
あらためて変態だと思いましたよ、このコースは(笑)
この黄色い花、、、キバナノコマノツメって言うんだとか。 (←これからは覚える為に書いていきますw)
突如、展望が開ける場所に出ました。
ずっと樹林帯の中を登ってきていただけに、開放感が半端ないっす。
眼下に見えるのは広瀬香美・・・・・ じゃなかった、広瀬湖です。
(惜しい)
これまでの青空が徐々に曇ってきてはいるものの、富士山くん、何とか粘ってくれています。
甲武信の山頂に近付くにつれ、ザレノガレ明美も目立ってきます。
それでもまた樹林帯の中へと入っていくのですが、植生も変わり、森は苔の森へと変貌していきます。
話によると、雨が降ればそこは幻想的な雰囲気の森になるんだとか。
苔と霧がその世界を創り出すのかもしれませんね。
山小屋の方も言ってましたが、雨の日に登るのもまたオツなんだとか。
そう言われましても、やっぱり雨は避けたいよな~(^_^;)
出発してから5時間と20分・・・
やっとこさ奥秩父縦走路に出ましたよーっと。。。
ここが、徳ちゃん新道経由戸渡尾根の終点です。 ここまでホントに長かったよ。
分岐を左に折れ、10分ほど歩くと・・・
木賊山の山頂でーす。
「きぞく」 ではなく 「とくさ」 って読みますよ。
看板の通り、三等三肉点ここにありけり。
せっかくなので、とりあえずフェイスフラッシュやっとけと。
もうね、正直この時点でかなりグロッキーです(笑)
この後、この日宿泊する山小屋を経由して甲武信ヶ岳山頂を目指すわけですが、
「今日は山小屋までにして、明日山頂でいいんじゃない?」 と、言い出す隊員N氏。
それでこそ、我が隊ヘタレ発言の神髄w
それでもよかったのですが、このあと天気が崩れる予報だったので、今日中に山頂に登っておこうということに
なりました(^_^;)
ということで、まずは山小屋まで行きまっしょい!
ちなみに上の画像の木賊山の標示版ですが、木々の中にあり小さくて目立たない標示板です。
山頂に行った方は、どこにあるか探してみてくださいw
木賊山を通過すると、ついに目の前に甲武信ヶ岳の姿が登場!
(S氏・・・ わたくしの頭部がアップし過ぎですってw)
三角の形をしているのが甲武信ヶ岳。
ホント、6時間近くかけて歩いて来ないと見ることのできない山ですからね。 奥深さを感じますよ。
いったんザレノガレ明美の急坂を下ります。
個人的には6年ぶりの甲武信・・・・・って、いやはや、、、 そんな浸ってる場合ではない。
ここを下るということは、また山頂まで登るということ。 もう勘弁してください(笑)
下る途中、西南方面には日本百名山の金峰山が見えていました。
6年前はガスってて、この景色は見えなかったんですよ。
カメラでズームアップすると、金峰山のシンボル、五丈岩が見えてマッスル。
金峰山から甲武信までの縦走路もいつか歩いてみたいものです。
ザレノガレ明美なる道の岩場に、咲いていたピンクの高山植物。
ヒメイワカガミというらしいっす。 (そう書いても、明日には忘れてそうw)
ザレノガレ明美を下ると、またまた樹林帯の中へと入っていきます。
その森の中に入ったら、いきなりガサガサっと音がしたので、一瞬ビビリましたw
もう脅かさないでくださいよ~
スガシカオさんです。
親子2頭でいました。 写真はリトルスガシカオのほうです。
(リトル本田かよ)
本日のお宿 甲武信小屋 に到着しました~
長かったっすよぉ・・・ ってか、、、 まだ山頂行ってないんだった(汗)
とりあえず山小屋の受付を済まし、ザックを置いて、アタックザックで山頂に向かうことにしました。
(テラスでビールを呑んでるおじさん達が羨ましい・・・orz)
さっさと登頂して、ビールを飲むぜ~ってことで、小屋から約15分の登りで山頂へ。
しかしながら、すでにグロッキーな身体には、最後の15分の登りは相当キツイんですけどね(^_^;)
樹林帯を抜ければ、山頂はもうすぐだす。
おおっ! まだ富士山隠れていませんでした。
あとは岩ッコロの登りをクリアすれば、山頂です。
道の駅を出発してから6時間40分・・・
甲武信ヶ岳山頂に登頂なり~
いや~ 疲れました。 メンバー全員 「疲れた」 としか言葉に出ないw
山頂からの景色をば。
結局、登頂するまで富士山が眺められてヒデキ感激です。
怪しい雲になってきたぜ~ これはひと雨降るぜ~
ということで、せっせと下山すべく、隊員N氏とS氏にとっては甲武信初登頂記念のフェイスフラッシュ!
お疲れさんでした~(^_^)
山頂の広さは、まあまあの広さですかね。
多分、甲武信には二度と来ることはないかもしれませんが、、、
『機会が二度、君のドアをノックすると考えるな』 ・・・って感じです。
(言ってる意味がわからんよ)
そして、登りきった最後にひと言、言わせてください・・・。
長かった徳ちゃん新道よ、さらば!!
(ホントだよ)
・・・・・
さて、山小屋まで戻ってきました。
窓が割れているのはご愛嬌。
その応急処置のテープが、英国ユニオンジャックを連想させます。
(そうでもない)
夕食前ですが、一日の疲れをビールで癒さなければなりません。
スペ隊の食糧担当でもある隊員S氏のおつまみのチョイス。
中でもPIZZA-LAのチーズかまぼこは、なんじゃこりゃ!って思えるほどウマしです!
(ちゃんとピザの味がするっつう)
酒の肴として、久々にヒットしました。
そんな中、テラスで一杯やっていたら、案の定雨が降ってきました。
天候ギリギリセーフでした。 山行中、降られなくてよかったっす。
ちなみに山小屋の夕飯は、甲武信小屋名物のカレーです。
山小屋のご主人である徳ちゃんさん(徳ちゃん新道を切り開いた張本人)が、カレーのご飯を盛り付けて
くれるのですが 「ごはんの量ふつう?大盛り?」 と、聞かれたので、大盛りと答えたわたくしですが、
隊員N氏は 「特盛で」 と答えたがために、カレーは少なめにされましたwww
ちなみにこの日の山小屋、、、 団体さんが意外に多くてですね、山小屋定員満員御礼という始末(>_<)
我々3人、、、 布団2枚で3人で寝ることに・・・orz
【1日目登山行程】
道の駅みとみ09:20 ⇒ 徳ちゃん新道入口09:50 ⇒ 近丸新道分岐12:00 ⇒ 破風山方面分岐14:40
⇒ 木賊山14:50~15:00 ⇒ 甲武信小屋15:20~15:45 ⇒ 甲武信ヶ岳16:00~16:15 ⇒
甲武信小屋16:25 計:7時間05分
標高差: 1395M(道の駅みとみ→甲武信ヶ岳) <累積標高(上り)1881m ・累積標高(下り) 629m>
歩行距離: 9.3km
⇒⇒⇒2日目につづく
2018-06-30 23:00
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